前回の記事に引き続き、今回は原因不明の難治性とされている線維筋痛症の発症要因について。
日常に潜む小さなリスクが、線維筋痛症だけでなくその他疾患の発症要因になり得る可能性と、自分がもし病気になった時の身体、心、病、医療、医師との向き合い方について書いていきます。
▼前回の記事はこちら▼
子宮頸がんワクチンと線維筋痛症の関係
2010年の11月、私は上海万博が終わりほとぼり冷めやらぬ上海にいました。
社長と上司に連れられて各地の取引先に商談に行っていた時のことです。
当時、中国の高度経済成長はピークを迎え、終盤に差し掛かかろうとしている頃でしたが
街には活気が溢れて煌びやかだったのを覚えています。
それは私にとって、初めての訪中でした。
幹線道路を走る車の中から真横を向けば
万博会場の赤い建造物が見えていました。
しかし、それより先に目を見張ったものは会場上空に広がる空が
あまりにもどんよりと薄暗く、重たいグレーの靄がかかっている様子でした。
「あれは・・・・!?」と
思わず声に出してしまいました。
コーディネーターの方のお話を伺うと
それはPM2.5を含むとても深刻な大気汚染だということ。
まるで光化学スモッグに上海の街が溺れているかのようでした。
当時のことが書いてある記事を見つけました。やはり私は異常な汚染状態の現地にいたことがわかりました。
2010年11月30日、ロイターは、万博期間中実施されていた多岐にわたる規制が緩和あるいは解除されたため、上海市の大気汚染が万博終了後わずか1カ月の間に過去5年間で最悪の水準になったと報じた。
<大気汚染>過去5年で最悪の状況に!万博終了による規制解除が主因―上海市
私は毎年、春先に中国からやってくる黄砂やそれに交じった有害物質が日本にたどり着く頃には、激しいくしゃみ、鼻水、涙、ひどくなると眼球が浮腫むほどのアレルギー症状を起こしていました。
その反応は花粉症よりもひどい気がしていました。
「しばらくこの場所に滞在するのか…」
なんとなく、ですが、私は心の中で嫌な予感がしていました。
やはりその予感は的中し、夕方になると私は激しいくしゃみと目のかゆみに襲われました。
数回の発作を起こした後は自然と治まり、その後特に問題なく仕事を終えることができました。
しかし無事日本に帰国すると、少しずつ体が重だるくなっていく違和感を感じ始め・・・
その数週間後、あることをきっかけに突然の激しい頭痛から始まり、あっという間に全身に痛みが広がる「線維筋痛症」を発症してしまいます。
そして、そこからは止むことのない全身の痛みに生きる気力さえも奪われそうになる中
今にも切れてしまいそうな気持ちをとにかく丁寧に取り扱うことに必死でした。
これといった治療法は見つからず、痛み止めも効かず、ちょうど前年に治験が終わり認可が下りたばかりの新薬は高額にも関わらず効果がなく・・・
ついには自分で骨や内臓の仕組みから、病気のこと、医療のこと、薬剤のこと、あらゆる治療法について、素人なりに自分に必要な情報を収集しては勉強する時間が始まりました。
その経緯を経て病は寛解し、10年以上も経った今、なぜこのことを書いているのかというと、
先日の子宮頸がんワクチンに関する裁判のニュースを聞いて
中国出張での何気ない出来事が、線維筋痛症のような全身疼痛の発症のカギを握る
小さくても決して見逃してはいけない原因のひとつではないかと考えているからです。
しかしこれらは全て、あくまでも私の憶測ですが、
今回、子宮頸がんワクチンについて調べてみると『アジュバント』というキーワードが目につきました。
私の中で、ずっと気になっていた点と点が繋がったような気がしました。
アジュバントとは、ワクチンの効果を高めるため、ワクチンと一緒に体内に投与される物質のことです。
子宮頸がんワクチンにはアジュバントとしてアルミニウムが含まれているそうです。
もちろん、当時はこのことに何かヒントがあるなど思ってもいませんでしたし、
自分の身体はいったいどうなってしまったのか、これからどうなってしまうのか、
それどころか「痛い」を感じるだけの毎日で、
ただ息をする以外は何の余裕もなかったというのが現実でした。
当時、私が体内に取りこんでしまった中国の灰色の風には、
いったいどんな化学物質や、有害物質、鉱物などが含まれていたか、
今になってはもう誰も調べることはできません。
私は、医学や薬学、治療に関する専門的な知識もないですし、
臨床の現場を知るわけでもなく、そこに携わってこの真実を解き明かす機会もありません。
ただ、望まぬ形で突然「患者」になり、
今まで未知の世界であった医療と深く関わることになり、
何人ものドクターに出会い、たくさんの薬剤を服用して、
人生で初めて「患者」として病院や医療、ドクターとの付き合い方、
自分の身体の「感性」に触れることになりました。
何度かインフルエンザに感染しているESP気質の友人はこう言います。
「インフルエンザのウィルスが体に侵入したら、それはいつ、どこに付着したか、その瞬間にわかる。そこから体が反応していく。」と。
そこに理屈などなく、身体は確実に何らかの防衛反応を起こしており、
私たちの意識や知覚がそれに気づくかどうかは、その方の感性の感度に関係しているのかもしれません。
以下は大阪大学の研究内容が記されたサイトを引用させていただきます。
どうやら黄砂やPM2.5にも、アジュバント効果があるようです。また黄砂やPM2.5には、アルミニウムなどが含まれているといわれています。
内容はアレルギー治療に役立てるための研究のようですが、私は線維筋痛症の発症の原因の一つにはアレルギーまたは、アレルギー感作状態が関係しているのではないかということに着目しました。
・PM2.5や黄砂など大気中に存在する微細粒子 は免疫系を刺激する「アジュバント効果」を有しており、アレルギー性炎症を誘導・増悪することが示唆されていたが、その仕組みは明らかにされていなかった
大阪大学の研究サイトより
・今回、肺に入った微細粒子が肺の掃除屋である肺胞マクロファージの細胞死を誘導し、IL-1アルファ の放出と異所性リンパ節の誘導を介して、アレルギーの原因因子の一つであるIgEが誘導されることを解明
・今後、肺胞マクロファージの細胞死を抑えたり、死細胞由来の免疫刺激物質を抑えたりすることで、微細粒子によるアレルギー性炎症発症の制御が可能
アジュバントの存在は、健康な方にとっては影響が少なかっとしても、体内が線維筋痛症、または、その他免疫系疾患の発症条件を満たしている場合、
アジュバントとなりうる物質を体内に取り込んでしまうことの危険性を示唆しているのではないかと考えています。
今回私が言いたいことをまとめます。
●線維筋痛症の発症は、いくつかの発症要因が揃うとリスクが高まるのではないかということ
●そのうちの一つが、以前私が大気汚染に遭遇してしまったように
何らかの物質によるアレルギー反応や免疫システムが関与しているのではないかということ
●アレルギー体質の人はそうでない人よりも、発症のリスクが高くなるのではないかということ、特に鉱物アレルギーなど。
●免疫システムの特性や全身の筋肉の状態、神経伝達物質などが、発症前にはまるでコップの水が溢れる寸前のように、飽和状態に例えられる状態に達している可能性があるのではないかということ
これらは、線維筋痛症に限らず、私たちの身体は健康と病気の状態には境目がなく、
目の前に起こる「事象」にも関しても同じことがいえるかと思います。
私は線維筋痛症を発症するまでのメカニズムには、たくさんのプロセスやストーリーがあって
自分に起こる病や事象は個人の「個性」や人生の「表現」が症状や現実として表に現れたものだと考えています。
人は誰しも人生で一度は「痛み」に遭遇し、「医療」と関わり、「薬剤」を服用し、「手術」を受ける機会があるとすれば、
その時初めて患者として、自己の性質や感性と向き合うことになります。
日常に置き換えて考えると、「トラブルや問題」に遭遇した時、
誰かに「相談&依頼」し、「アドバイスや対処」をしてもらう時に似ているとも言えます。
それは、自分自身を真摯に受け止めて深く理解しようと努め、
相手を敬い謙虚な気持ちと態度でないと上手くいかないかもしれません。
病や問題を解決するうえで、自身の気質による生活習慣や体の使い方、思考癖などを内観する必要があるのではないかと思っています。
そして病や問題は、あくまで自分の意志で直すという気持ちが大切だと考えています。
私は考え方を変えた瞬間から、素晴らしいドクターと著効する薬に出会い、自分の身体がどうすれば良くなるのかそのロジックが少しずつ見えてきて病は回復へと向かいました。
最近ようやく、過去の痛い病の経験によって、
物事に向き合う姿勢を学んだことに気付きこの記事を書いています。
次は、線維筋痛症の発症に関わるその他の要因についてと
最終的に、その「引き金」となり得るものについて書きます。
いろんな学会や研究団体によって線維筋痛症について書かれた文献や論文などがたくさんありますが、
これらはあくまで私の仮説でもあり、自分の実体験をもとに考察した内容になっています。
病には個人差もありますので、同じ病名の方にとって必ず参考になるものではないかもしれません。
しかし、もしこれを読んで下さっているあなたがたとえ今は健康だったとしても、
自分自身の「感性」や「自己表現」「こだわり」「執着」などが気になっている場合は
ぜひ、読み進めてみて欲しいです。
私に関わって下さった多くの方からいただいた学びをシェアさせていただくので
そこに自己実現や「心と体の痛み」の手放し方のヒントが見つかるかもしれません。
最後に、これを更新していくにあたり、
誤解を生む心配があるので書いておかないといけないことがあります。
それは、私は決して子宮頸がんワクチンの接種に反対しているわけではないということです。
私の場合は、その時々の判断にもよりますが、多少のリスクがあっても、メリットや確率の高いものを採用する考え方をもっています。
しかし、ワクチンを未成熟な未成年の女児に接種させるのであれば、保護者の方は事前にそのリスクを十分理解しておくのがよいのではないかと思います。
今回の裁判に関する副反応の一例が、もし「線維筋痛症」だったとしたら
私はその病は寛解またはほぼ完治の状態に回復することができるものと信じています
発症要因を知っていれば、日常生活で十分に予防することのできる病気です。
以下、線維筋痛症の発症と関係があると考えられている『アルミニウム』『アジュバント』
に関して書かれていた内容を引用させていただきました。
線維筋痛症の発症の契機としてリストアップされるものは以下の通りである。外傷、特に交通外傷による頚椎損傷が強い発症要因とする報告が多数ある。慢性ストレス、情緒的ストレス、外科的手術(特に脊椎、婦人科手術)、身体疾患、うつ病、不安障害の存在が発症要因とする報告もある。一方、感染症として HIV, HCV, HBV 感染、マイコプラズマ、パルボウィルス B19、HTLV-I 感染、あるいはライム病、HBV キャリアー、特にアルミアジュバントを含むワクチン接種が発症の危険因子とする報告が複数ある。
一般社団法人日本線維筋痛症学会
「線維筋痛症診療ガイドライン 2017」Clinical Questions (CQs)に対する推奨文最終案